臨床心理士

臨床心理士とは、「心理職」の中でも、 文部科学省認可の財団法人である 日本臨床心理士資格認定協会(資格認定協会)が認定する 「臨床心理士」資格を取得している人のことです。 臨床心理士の資格制度は、1988年に創設されています。 そして、資格認定協会では、臨床心理士は毎年1500人強のペースで、 どんどん増加しています。 その一方で、臨床心理士の資格を取得せず、 心理職の仕事をしている人もいます。 心理職には国家資格がなく、臨床心理士の資格がなくても、 心理職として働くことは可能です。 しかし、臨床心理士の資格認定制度は定着しつつあり、 心理職の採用要件に臨床心理士資格をあげるところは急増してい・・・

心理職が職業として確立した背景 その1

心理学が哲学から分かれたのは19世紀です。 しかし、心理学が一つの学問分野として成立する以前から、 人の心の動きについては思索が続けられていましたし、 心の問題を抱える人を援助しようとする試みも 色々行われていました。 たとえば、シャーマンによる呪術的療法、キリスト教会の悪魔祓い、告解など、 心理療法(サイコセラピー)に含まれる試みは、 主に宗教施設の中で行われてきました。 また、大切な人を失った人を心理的に支え、 喪の作業を促進させるという心理療法的機能を持った宗教儀式に、 「葬儀」があり、古い時代から行われています。 ですが、心理学的援助を行う専門職の登場は、 近代の科学的精神と臨床的精神・・・

心理職が職業として確立した背景 その2

心理査定法の始まり 心理査定法の起源は、ダーウィンの進化論に端を発する人間の 個体差への関心にあります。 様々な知能検査法や人格検査法は、 この個人差への関心から、 知能や人格などの個人の心的機能を客観的に評価する方法としてあみだされ、 改良を加えられていきました。 心理療法の始まり 心理療法は、20世紀初頭の三大学派となる「ゲシュタルト心理学」、 「行動主義心理学」、「精神分析学」の心理学の臨床的応用として発展しました。 この中の精神分析学は、創始者のフロイトが開業医であったため、 はじめから理論と実践が固く結びついている形で発展し、 その後、フロイトから分派したユング、アドラーも、 それぞ・・・

臨床心理士の仕事 その1

臨床心理士は、ヒトの心の問題にかかわる専門家であり、 その仕事は、心理学的援助で、 臨床心理士の資格認定協会と、日本臨床心理士会では、 臨床心理士の主な仕事を、以下の4つに分けて考えています。 (1) 臨床心理アセスメント(査定) (2) 臨床心理面接 (3) 臨床心理的地域援助 (4) 臨床心理学的研究 臨床心理士が行う心理学的援助とは 心理学的援助とは、心理学的観点からその個人・集団の問題が、 何であるのかを見立て、その見立てに基づき、 必要な援助を行うことです。 また、心理学的な問題の発生や、 問題が深刻化することを防ぐこともします。 さらに、心理学的援助の実践を、 より質の高いものにす・・・

臨床心理士の仕事 その2

(1) 臨床心理アセスメント(査定) 臨床心理アセスメント(査定)とは、 個人や集団にどのような問題があるのか、 どのような援助を必要としているのかを、 面接や行動観察、或いは様々な心理検査を用いて、 心理学的な観点から見立てることです。 たとえば、不登校の高校生が相談に訪れると、 まず、その高校生の内的状況、外的状況、人格特性、知能特性などを見ます。 そして、その高校生の不登校の原因が、学習障害に起因する学業不振であるなら。 障害克服のためのプログラムへの導入を進めます。 統合失調症が疑われる場合は、医療機関への受診を勧め、 いじめが要因であるなら、心理相談や心理療法への導入を進めながら、 ・・・

臨床心理士の仕事 その3

(2) 臨床心理面接 臨床心理面接は、クライエントに、カウンセリングや心理療法を行うことです。 臨床心理面接を主な仕事としている臨床心理士は、 カウンセラーと呼ばれたり、 心理療法家(サイコセラピスト)と呼ばれることもあります。 さて、臨床心理士の面接は、「人間関係」をおもな「仕事道具にする」 という特徴があります。 そして、もっともよく用いられる人間関係は、「対話」です。 対話による心理療法 対話による心理療法としては、 フロイト派、ユング派を含む精神力動的心理療法や、 来談者中心療法を含む人間性心理学的心理療法、 認知行動療法などがあります。 非言語的表現による心理療法 非言語的表現を媒介・・・

臨床心理士の仕事 その4

(3) 臨床心理的地域援助 心理学的問題の解決には、心に問題を抱えている個人や集団に、 心理学的援助を行うだけではなく、 その個人や集団の置かれている周りの環境に働きかけをすることで、 有効な結果が得られることがあります。 このように、個人や集団を取り囲む環境に働きかける事を、 「地域援助(コンサルテーション・リエゾン)」と言います。 たとえば、学校内で傷害事件が起きた場合などは、 臨床心理士が学校を訪れ、教師と話し合いをし、 その中で、教師が加害者、被害者双方の生徒に対する理解を深め、 具体的な対応を取ることができるようになります。 このような援助を「コンサルテーション」といい、 もし、専門・・・

臨床心理士に求められる姿勢

倫理的である 当たり前のことのようですが、臨床心理士には、 「倫理的である。」ということが求められます。 当たり前のことのようですが、臨床心理士は、 人間関係の力を利用して仕事します。 具体的には、クライエントと臨床心理士の関係は、 契約によって結ばれた職業上の関係であり、 クライエントとは、この職業上の関係以外の関係を持たないということが 最も基本的なことになります。 さらに詳しくいえば、クライエントとは、 決められた時間と場所でしか会いませんし、 アセスメントや面接を行うときは、 これからどんなことを、どのようにするのか、 きちんと説明して合意を得てから行います。 そして、クライエントの人・・・

臨床心理士の立場

臨床心理士は、殆どが他の専門の職員と共に行っています。 つまり、臨床心理士は、チームの一員として仕事を行うわけで、 たとえば、精神科に入院中のクライアントの場合は、 医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などと共に働きます。 そこで必要なのは、チームメンバーとの有機的連携です。 有機的連携とは、お互いの機能を高めあうような連携の仕方のことです。 適宜、チームのメンバーと情報を交換して目標を共有し、 その中で、心理学的援助がどのような役割になっているのかを 把握しながら、臨床心理士としての役割を果たしていくことが大切です。 医師や看護師、そのほかの専門職と連携をとりながら、 人間関係の専門職と・・・

臨床心理士の活躍の場 その1

臨床心理士には、様々な活躍の場があります。 たとえば、「保健・医療」、「福祉」、「教育」、「大学・研究所」、 「司法・法務・警察」、「私設心理相談」などの領域があります。 臨床心理士の全ての職場が、このような領域で分けられるわけではなく、 たとえば、障害児や高齢者に対する心理学的援助では、 一概に医療とも福祉とも、教育とも決められない領域で活躍することになるでしょう。 また、臨床心理士の職場には、他職種の専門領域とみなされるところが多いです。 たとえば、保健・医療の領域には医師や看護師という専門職がいますし、 教育の領域では教師がいます。 これは、心理職が比較的新しい職種であり、 それぞれの領・・・

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