臨床心理士の仕事 その4

(3) 臨床心理的地域援助

心理学的問題の解決には、心に問題を抱えている個人や集団に、
心理学的援助を行うだけではなく、
その個人や集団の置かれている周りの環境に働きかけをすることで、
有効な結果が得られることがあります。

このように、個人や集団を取り囲む環境に働きかける事を、
「地域援助(コンサルテーション・リエゾン)」と言います。

たとえば、学校内で傷害事件が起きた場合などは、
臨床心理士が学校を訪れ、教師と話し合いをし、
その中で、教師が加害者、被害者双方の生徒に対する理解を深め、
具体的な対応を取ることができるようになります。

このような援助を「コンサルテーション」といい、
もし、専門的な援助を必要としている生徒がいる場合は、
その生徒を適切な機関につなげることを「リエゾン」といいます。

また、教師だけでなく、家族や職場の上司なども、
コンサルテーションの対象になります。

また、アルコール依存症や統合失調症などを抱えている
クライエントの家族に対しては
コンサルテーションを家族上質のような形で行う事があります。

さらに、いのちの電話の相談員のような、
地域で活躍するボランティアを選抜したり、
臨床家として経験の浅い人が、
自分の行った面接や査定について経験豊かな臨床家に
定期的に報告し、指導を受ける訓練に携わる、
或いは一般の人を対象とした心の健康に関する啓蒙活動に
携わることも、地域援助の一つです。

(4) 臨床心理学的研究

臨床心理学的研究は、臨床心理アセスメント(査定)、
臨床心理面接、臨床心理的地域援助の実践を、
より豊かなものにするため、
基礎になる研究を行うことです。

たとえば、行動療法のような実験的研究から導き出された
理論に基づく心理療法でも、
臨床心理学的援助として実践する以上、
実践が研究を支えますし、同時に研究が実践を支えます。

ですから、臨床心理学の場合は、実践と研究は不可分です。

そして、理論から学びつつ実践を行い、
実践から学びつつ理論を発展させていくことが求められ、
このような臨床心理学の研究は、事例研究という形で行われます。

臨床心理士は、事例検討会に参加し、
事例から学んだ事を共有することは、とても大切な仕事です。

 

 

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