臨床心理士の仕事 その2

(1) 臨床心理アセスメント(査定)

臨床心理アセスメント(査定)とは、
個人や集団にどのような問題があるのか、
どのような援助を必要としているのかを、
面接や行動観察、或いは様々な心理検査を用いて、
心理学的な観点から見立てることです。

たとえば、不登校の高校生が相談に訪れると、
まず、その高校生の内的状況、外的状況、人格特性、知能特性などを見ます。

そして、その高校生の不登校の原因が、学習障害に起因する学業不振であるなら。
障害克服のためのプログラムへの導入を進めます。

統合失調症が疑われる場合は、医療機関への受診を勧め、
いじめが要因であるなら、心理相談や心理療法への導入を進めながら、
関係者への介入の可能性について検討します。

さらに、その高校生には、どのようにアプローチしていくのが良いのかを
検討し、判断していきます。

このようなことをアセスメントといい、
通常、アセスメントは、援助の開始前に行います。

ただし、援助の効果を判定するために、
援助の開始後に行うアセスメントもあります。

アセスメントの方法で、最も基本的なものは「面接」です。

その面接は、「受理面接(インテーク面接)」と呼んだり、
「診断面接」と呼んだりしますが、
一般的には、個人を心理学的に理解するために最低限必要なことを順序よく聴き、
その情報をもとにいくつかの仮説を立てて、
その仮説を検証していくための質問をすると言う方法で行われます。

また、「行動観察」をすることもあります。

行動観察は、言語的交流が難しい乳幼児や障害児を対象とした技法です。

次に、アセスメントで最も大切な「心理検査」を行います。

心理検査は、大きく分けると、「知能検査」と「人格検査」があります。

知能検査

知能検査は、発達障害や認知症を疑う場合の
個人のアセスメントに欠かすことができません。

代表的な知能検査としては、ビネー式の知能検査と、
ウェクスラー式の知能検査がありますが、
ただ、IQ(知的指数)を出すだけでなく、
その人の知能の特徴をきめ細かく把握することに意味がある検査です。

知能検査に似ている検査に、「神経心理検査」があります。

この神経心理検査は、知能検査と、
大脳の知的活動に関係した働きを調べる「高次機能」を評価するのは同じです。

しかし、神経心理検査では、脳の限られた一部が、
怪我や病気のために損なわれる事から起こる、失認や失効など、
脳の限局性病変について評価します。

人格検査

人格検査には、「質問紙法の検査」と、「投影法の検査」の二つがあります。

質問紙法の検査

質問紙法は、被検者が自分のことをどのように自覚しているかを知るために、
質問項目に被検者が自己評価するタイプの検査です。

質問紙法の主な検査には、矢田部=ギルフォード性格検査(Y-G検査)と、
ミネソタ多面人格目録(MMMPI)などがあります。

投影法の検査

投影法の検査では、被検者に曖昧な指示や刺激を与えて、
それらに対する被検者の反応様式から
パーソナリティー特性を把握しようとするものです。

習熟するまでに経験と時間がかかる検査ですが、
クライエントのより深い心理的傾向や力動を把握できるという点で
メリットのある検査です。

投影法の主な検査には、
ロールシャッハ法や文章完成法(SCT)、描画法などがあります。

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