心理職が職業として確立した背景 その2

心理査定法の始まり

心理査定法の起源は、ダーウィンの進化論に端を発する人間の
個体差への関心にあります。

様々な知能検査法や人格検査法は、
この個人差への関心から、
知能や人格などの個人の心的機能を客観的に評価する方法としてあみだされ、
改良を加えられていきました。

心理療法の始まり

心理療法は、20世紀初頭の三大学派となる「ゲシュタルト心理学」、
「行動主義心理学」、「精神分析学」の心理学の臨床的応用として発展しました。

この中の精神分析学は、創始者のフロイトが開業医であったため、
はじめから理論と実践が固く結びついている形で発展し、
その後、フロイトから分派したユング、アドラーも、
それぞれが、独自の心理療法理論や技法を展開させています。

また、ロジャーズは精神分析学に拮抗する形で、
人間学的視点に立つ来談者中心療法を提唱し、発展させています。

さらに、行動主義心理学を発展し継承した新行動主義心理学は行動療法を生み出し、
新行動主義心理学とゲシュタルト心理学を母体とした認知心理学は、
認知療法を生み出しています。

心理職の世界初の資格制度とは

専門的職業として心理職が確立したのには、
戦争が大きく関係しています。

特に、アメリカでは、第一次大戦中から兵士の選抜や、
精神神経症の対応のために、心理職を活用しようという流れになり、
第二次大戦後、復員軍人局と国立精神保健研究所、
そして、アメリカ心理学界が合同で、大学院に心理職の養成課程を作りました。

つまり、心理職の世界初の資格制度は、アメリカでスタートしており、
その後、カナダ、ブラジル、オーストラリア、スウェーデン、フランスなどでも、心理職の公的な資格制度が設けられるようになりました。

日本での心理職の資格制度の発足

日本では、第二次大戦後、敗戦を機に欧米の心理学が一気に導入されました。

また、「少年法」や「児童福祉法」、「精神衛生法(現精神保健福祉法)」など、
制度的にも整備が進み、少年鑑別所や児童相談所などで
心理職が任用されるようになりました。

心理職を目指す人も徐々に多くなりましたが、
当時の大学には依然として養成カリキュラムがなく、
臨床心理学の勉強や職場の開拓については、
個人がそれぞれに努力していました。

1964年、日本においても、最初の臨床心理学学会が誕生し、
心理職の資格についての議論が始まりました。

しかし、大学紛争のあおりを受け、
心理職の資格についての議論は一旦頓挫しましたが、
その間にも多くの大学に外来の心理教育相談室が設置されるなどし、
養成過程の整備は確実に進んでいきました。

1982年には、新たに日本心理臨床学会が組織され、
2008年には、総会員数が2万人を超える心理学会で最大規模の学会へと発展しました。

大学紛争により、一旦頓挫した心理職の資格制度についての議論も復活し、
1988年、日本心理臨床学会が母体となって、
心理職の資格認定団体の日本臨床心理士資格認定協会を発足しました。

1989年、認定臨床心理士の第一号が誕生し、
同じ年の終わりごろには臨床心理士の職能団体「日本臨床心理士会」が
設立されました。

1990年には、資格認定協会は文部省(現文部科学省)が許可する
財団法人になりました。

1996年には、資格認定協会が臨床心理士の教育、訓練システムの
整備された大学院を指定し、
その大学院の修了性に受験資格を与えると言う
指定大学院制度がスタートしています。

 

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