心理職が職業として確立した背景 その1

心理学が哲学から分かれたのは19世紀です。

しかし、心理学が一つの学問分野として成立する以前から、
人の心の動きについては思索が続けられていましたし、
心の問題を抱える人を援助しようとする試みも
色々行われていました。

たとえば、シャーマンによる呪術的療法、キリスト教会の悪魔祓い、告解など、
心理療法(サイコセラピー)に含まれる試みは、
主に宗教施設の中で行われてきました。

また、大切な人を失った人を心理的に支え、
喪の作業を促進させるという心理療法的機能を持った宗教儀式に、
「葬儀」があり、古い時代から行われています。

ですが、心理学的援助を行う専門職の登場は、
近代の科学的精神と臨床的精神の幕開けを待つ必要がありました。

フランス革命時のピネルによる精神障害者の「鎖からの解放」は、
一般的には近代精神医学の幕開けとして理解されています。

そして、この「鎖からの解放」は、
心を病む人々に対する人間的で科学的な対応の始まりという意味で、
心理職の歴史の上で特筆すべき出来事であるに違いありません。

近代心理学の始まり

1879年、ヴントがドイツのライプチヒ大学に、
世界で初めての心理学実験室を創設した事が近代心理学の始まりです。

この時点で、心理学が、心理学として自立した研究と教育を
行う事ができる体制が確立されました。

しかし、ヴントの心理学は、20世紀に入ると
様々な方面から批判を浴び、後世に継承されることはありませんでしたが、その過程で、20世紀初頭の三大学派となる「ゲシュタルト心理学」、
「行動主義心理学」、「精神分析学」が誕生しました。

臨床心理学の始まり

1896年、ウィトマーという人が「臨床心理学」という言葉を初めて提唱しました。

ウィトマーは、アメリカのペンシルヴァニア大学で、
じかに子どもと接して指導をしたり、
知能の発達や指導法を研究する心理クリニックを開きました。

そして、「臨床」という言葉を、「ベッドサイド」という意味から広げ、
「一人ひとりに接して働きかける」という意味で用い、
教育心理学や発達心理学に近い部分でスタートさせていきました。

アメリカでは、20世紀になると、
精神遅滞児や非行少年など、様々な対象者に
臨床心理学的アプローチが適用されるようになり、
これを職業にする人も出てきました。

臨床心理学は、このようにして誕生し、
その後は、心理査定法・心理療法などが開発されています。

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